ドイツ友

2010年4月17日

柳_1

Filed under: ●自然の恵み der Segen der Natur — ドイツ友 @ 11:41
yanagi die Weide といえば...枝が垂れ下がっている ”シダレヤナギ” を想像する人は多いでしょうが
 実際にはヤナギ属の種類はかなり多いです。 ※日本には30種を軽く越える種がある
  河原、山地や高原にも生育し、形状も様々。大木になるものもあれば、地を這うような草より小さいものも。
 春の開花後 das Blatt が伸びて来るもの、葉と die Blüte が同時に生じるもの、
 葉の後に開花するものなどイロイロあるが、 綿毛状の花穂や綿毛をもつ種子などの特徴は共通しており、
 全て 雌雄異株 die Diözie / die Zweihäusigkeit です。
  ※ 樹木の花 die Blüte花・草花 die Blume咲く blühen
  ※ 雌雄異株(しゆういしゅ) : 一つの株には 雄花 männliche Blüte 雌花 weibliche Blüte
                    どちらかの花しか付けない 植物 die Pflanze
                    雌雄異株では雄の植物と雌の植物に分かれている。
 
 ← シダレヤナギ die Echte Trauerweide 柳の下には幽霊が出るという迷信がありますな~
 
”『柳の樹皮で薬草風呂』という内容をネットで発見した”、とうちの薬草学者(専攻が化学、薬学、情報工学)に言ったら
”そんなの簡単だよ。今から河原に行こう!”と。いつも素早いっ
チェコ Tschechien ・スデーデン山脈の 雪解け die Schneeschmelze で水位があがったオーデル川 die Oder
     ポッキリヤナギ(クラックウィロー) die Bruch-WeideKnack-Weide樹皮 die Rinde を収穫してきました。
  IMG_4818   IMG_4822   IMG_4828
  ↑ 奥に見える台地はポーランド。現在一面海のようだけど、秋から冬にかけて  一面 ポッキリヤナギ Bruch-Weide
   湿原地帯が広がっていて、羊や牛が放牧されている                  サリシン含有量が非常に高いらしい
 
illust576_thumb ヤナギに含まれる サリチル酸 die Salicylsäure が痛みを止める!
柳の樹皮に 鎮痛・解熱効果があることは古くから知られており、古代ギリシャ時代から痛風、神経痛などに使用されていました。
日本でも歯痛に効果があるとして枝を 爪楊枝 der Zahnstocher に用いていました。
18世紀、イギリスの神父が樹皮から抽出した エキス der Extrakt の解熱作用を再発見し、これをサリシンと名付けました。
そして1838年にはサリシンを分解してサリチル酸が得られる (柳の木から有効成分が純粋に取り出される)ことも判明しました。
 ※ 日本にも伝わっており、1857年に米沢藩の医師堀内適斎が『医家必携』でヤナギの皮の効用について
   「この薬、苦味・収斂(しゅうれん:止血、鎮痛、防腐)・解熱の効あり。近世、柳皮塩あり、撤里失涅(さりしん)といふ」と記している
1870年代からこのサリチル酸リウマチ das Rheuma の治療などに使用されていましたが、苦味が強く、
副作用 die Nebenwirkung も強すぎた(強い胃腸障害を起こす)ため、アスピリン das Aspirin が開発されました。
 ※ リウマチを患う父を持つドイツの化学者 フェリックス・ホフマン Felix Hoffmann は、1897年に副作用の少ない
   アセチルサリチル酸 die Acetylsalicylsäure(ASS / アスピリン)を合成するのに成功した
 
アスピリンは現在でも最も安全な解熱・鎮痛剤 das Analgetikum / das Schmerzmittel として用いられていますが、
副作用(胃障害など)があるとも報告され、市場から姿を消したサリシン(自然なハーブの西洋ヤナギ)が植物療法として
                           再び注目されるようになり、健康食品、化粧品などの原料として使用されています。
      ひらめき 西洋ヤナギで薬効が確認されているのは3品種のみ
         Reif-Weide ※学名・Salix daphnoides、Purpur-Weide ※Salix purpurea、Bruch-Weide ※Salix fragilis
  IMG_4833  IMG_4835  IMG_4837  IMG_4849
          縦に切れ込みを入れると簡単に樹皮がはがせる ↑
   IMG_4852 → IMG_4879 → IMG_4882 → IMG_4884
  ① 細かく切る ※ 乾燥させると保管可   ② 一晩水に漬ける       ③ 煮出す          ④ 濾して煮出し液をお風呂に入れる
                                                                  入浴後も身体がポカポカする~ 爆笑
tree1 この樹皮を使ってうちの化学者がお得意の 実験 das Experiment を始めました。
サリチル酸 C6H4(OH)COOH 塩化鉄(III) Eisen(III)-chlorid FeCl3 水溶液 die wässrige Lösung / die Solution
 滴下すると鉄フェノール錯体が生成して紫色を呈する” という内容だそうです。化学 die Chemie が苦手な私には難しい...
とりあえず使った柳の樹皮にサリチル酸が含まれていたので色が変化(透明→紫)して、
             塩化鉄が 溶質 gelöster Stoff から不溶質に 化学反応 die chemische Reaktion したのはわかりました!
 ※ ヤナギの樹皮に含まれるサリシンはフェノール配糖体。服用するとサリチル酸に分解される。
   800px-Betaketocarbonicacid_iron_complex  IMG_4853   → 
      ↑ こちらが今回の実験の 化学反応式 chemische Reaktionsformel      塩化鉄は黄色の液体 ※溶性・可溶性の löslich 
 IMG_4857IMG_4860  → IMG_4863  IMG_4864  IMG_4866      
 ↑ 左:柳の樹脂と水(Ⅰ)、         ↑ Ⅰを熱して、Ⅱと混ぜる       ↑ 樹脂の色  →  少し濃い色 → (黒)紫色
   右:塩化鉄と水(Ⅱ)(ほぼ無色)                           塩化鉄は下に沈殿 ※不溶性の unlöslich
 
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